ごあいさつでも触れた税制改正大綱ですが、注目すべきは、相続税の基礎控除額の引き下げと孫への教育資金一括贈与制度ではないでしょうか。
相続税の非課税枠は、現行では5,000万円+1,000万円×法定相続人の数です。
それが、平成27年1月1日以後の相続について基礎控除額は、現行の6割、つまり、3,000万円+600万円×法定相続人の数となります。この基礎控除額の引き下げにより、課税の対象となる相続の割合は4.2%から6%の1.5倍ほど増加する見通しです。
では、相続税の負担が増えるのであれば、孫にでも贈与を・・と、抱き合わせで盛り込まれた教育資金の一括贈与の制度とはどのようなものでしょうか。
もともとその都度支援する教育費について贈与税はかかりません。ただし、一括贈与となると贈与税は課税されます。今回の制度は、30歳未満の孫への教育資金に充てるために、その祖父母が金融機関に金銭等を信託した場合には、一人につき1,500万円まで贈与税が非課税となる制度です。
ただし、30歳に達した時点で使いきれていない部分については、贈与税が課されます。また、教育資金とは、学校等に支払われる入学金などとなっており、塾等の費用については、500万円が上限となるようです。
この制度は、平成25年4月1日から平成27年12月31日までに拠出されるものとなっております。金融機関への信託経費も生じますし、金額等についても十分検討してから実施されるのがいいかと思います。
今回の大綱の内容は、すべて3月の国会で可決されてからの施行となります。
その他の改正項目についても順次お伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。