CASE02
新会計基準への対応
社会福祉法人

会計管理体制を強化し、社会福祉法人会計の法改正に対応

税理士岡 知洋
相談内容

今の顧問税理士が
社会福祉法人の新会計基準に対応できない。

F社会福祉法人は、今期の決算より新会計基準に移行する必要に迫られていましたが、依頼していた某税理士法人から「新会計基準に対応する決算書を作成することは相当難しい」と言われていました。また、今回の行政監査においても、会計監査における指摘事項を10項目以上も受けました。これらのことから、根本的に会計のあり方を見直したほうがいいのではないかと考えはじめ、相談に来られました。

相談結果

指摘事項が10分の1以下に。次年度は指摘ゼロが視野に。

前任の税理士法人が担当していた時は、会計監査の指摘事項は数もさることながら、「社会福祉法人会計の基礎から見直してください」という指摘事項もあり、社会福祉法人特有の会計基準に全く対応できていない状況でした。
まず行ったことは、10か所を超える施設で発生する数字をF社会福祉法人本部で正確に集計できる仕組みづくりでした。そのために、平成29年度の法改正を見据えたガバナンスの強化とタイムリーな月次決算の導入を行いました。その結果、会計入力の効率性と正確性が向上し、会計監査における指摘事項も10分の1以下になりました。
また、懸念事項であった新会計基準への移行もスムーズに行うことが出来ました。

具体的なご対応内容
オリジナルの管理表で会計入力の自動化体制を構築。
弊法人オリジナルの管理表をお使いいただくことで、現場の数字が正確に会計に反映されるようになりました。
その結果、経理担当者のスキルに関係なく、単純な入力作業を正確に行うことだけで、経営判断に必要な数字の把握や、会計監査に必要な書類の作成が可能となりました。事務負担の軽減と経理管理力の向上につながり、とても喜ばれています。
平成29年度の法改正に則ったガバナンス体制を構築。
平成29年度の社会福祉法人制度改革は、社会福祉法人の事業運営の透明性の向上や財務規律の強化が柱となっています(ご依頼時点は平成29年度の法改正前)。
弊法人では、オリジナル管理表の導入と合わせて、法改正に対応した社内における仕組みづくりをアドバイスし、ソフト面の体制も強化しました。最新の法改正に事前対応できたことに、F社会福祉法人の理事長も非常に満足していただきました。
経営管理の強化により、収益も正確に見える化。
各施設別の管理は、稼働率の集計からおおよその売上管理は行っていましたが、コスト管理やサービス別の管理までは行っていませんでした。
そこで、一般法人と同じように、月次決算を導入し、施設別・サービス別の採算管理の仕組みを導入し、管理会計を強化しました。
特別養護老人ホームでは介護重要度、保育所では子どもの年齢によって、単価が変わります。稼働率と収入金額を管理することで、正確な収益を把握できるようになり、予算計画と遂行確認が容易になりました。
社会福祉法人会計は、少し特異な分野であり、税理士法人や税理士の中でも対応できる事務所とそうではない事務所に分かれます。前任の税理士法人も、F社会福祉法人に対して「得意ではない」と断った上で依頼を受けていたようです。
社会福祉法人の会計基準は、昨今改正も多く、年々高度になってきていますので、税理士もノウハウや経験に加えて、最新の法改正への対応が求められています。弊法人では、社会福祉法人専任チームを組み、最新情報にもアンテナを張りつつ実績を積んでおります。小規模から大規模の社会福祉法人の、会計はもちろんのこと、組織運営や監査のお悩みにも対応いたします。
今や、社会福祉法人にも「経営の視点」が求められる時代です。一般法人の顧問を多く務め、数多くのコンサルティングを行っている私たちは、社会福祉法人の「経営」についても、的確なアドバイスをさせていただいています。制度改正等でお悩みがございましたら、ぜひご相談ください。
© 2024 Japan Creas Tax Corporation