CASE03
売上向上
サービス・小売

コンサルティングと従業員研修の併用で経営課題を解決

副本部長 税理士後藤 美加
相談内容

売上も利益も、前年同月比減が続く。
なんとかしないと・・・・

E社は、サービス提供と物販の両方を行う会社です。
売上・利益ともに順調に右肩上がりで成長してきましたが、1年前から前年同月比を割り込む月が増えてきました。
社長や各支店のマネージャーは売上を回復するために、現場スタッフを鼓舞していました。現場スタッフも、社長たちの気持ちを受けて一生懸命セールスを頑張っていましたが、結果に表れません。そこで社長は、客観的な意見を聞きに相談に来られました。

相談結果

自らが考え・行動する組織に。

E社の社長から相談を受けた税理士は、まず、従業員に数字の意識を持ってもらう環境づくりを提案しました。
具体的には、従業員に対して決算報告をすることで、1年間の自らの動きを振り返るとともに、売上と利益が上がる仕組みやお金の流れを理解してもらいました。そして、売上を伸ばすためには何が必要なのかを、まずは、従業員に考えてもらうようにしました。
その結果、一人ひとりが何をすべきかを理解し、納得したことで、日々の心がけや行動に変化が起こりました。そうすると不思議なぐらい売上が回復し、利益になって現れてきました。結果的に潜在的に抱えていた資金繰りの課題も改善しました。
決算報告会は、今では一年間の数字の結果報告だけではなく、従業員が「次に何をすべきか」を議論する場として活用されています。

具体的なご対応内容
ビジネスモデルを従業員に伝える研修を実施。
現場スタッフは、売上目標を達成するために、「本業であるサービス提供で売上があがらなくても、物販で売上高を確保すればいい」という考えを持っていました。
売上だけで見れば同じに思えたからです。
しかし、サービス提供と物販は、同じ売上でも利益率が異なります。
そこで、E社のビジネスモデルをもとに、収益構造についての研修を現場スタッフに行いました。
サービス提供の利益率を理解した従業員は、物販ではなく、サービス提供を確実に行うことを意識しはじめました。その結果、サービスに対するキャンセル防止策を実施し、キャンセルが発生したら予約を埋める取り組みが徹底されました。
「売上は、ただ上がればいい」という考え方から脱却。
E社の課題は、売上・利益の回復だけでなく、資金繰りにもありました。
原因を調査してみると、新規売上を獲得するために、顧客が支払いやすいクレジットカード決済をためらわずに使っていました。
クレジットカード決済をすると手数料分の利益が減少するだけでなく、入金されるまで時間がかかるため、資金繰りに影響します。
現場スタッフに、資金繰りについての研修を行ったことで、ただ新規顧客を獲得するだけでなく、会社にお金を残して、会社が安定するには何をしたらいいかを理解し、日々の接客が変わっていきました。
決算報告会を、会議の場に。
黒字決算を実現した結果をスタッフと共有するための決算報告会では、結果を喜ぶだけでなく、次の課題を、数字をもとに確認しました。
具体的には、新規顧客獲得について広告宣伝への依存度を軽減することでした。広告宣伝は必要ですが、費用対効果が重要です。利益を圧縮していては意味がありません。
E社には、お客様の既存データという情報資産がありましたので、それを使って、リピート客の掘り起こしをいかに行っていくか、決算報告会でも熱い議論が繰り広げられました。
E社は、社長と従業員の一体感のある組織風土があり、社長の「こうしよう!」という想いや指示に、全力で応えてくれる従業員がいました。
しかし、従業員は頑張っているけれど売上が上がらない、利益が残らない。思いだけが空回りしている状況でした。E社に限らず、取り組んでいるけれど効果が見られない場合は、取組み内容を見直さなければなりません。原因は実は基本行動の部分に隠れていることが多いものです。

それには、従業員が儲けの仕組みや数字についての理解を深めることが効果的です。
なぜ会社は利益を確保しなくてはいけないのか、なぜ売上目標を達成しなくてはいけないのか、そのためには自分達が日々どういう行動をとると効果的なのかを理解し、自ら考える機会を持つことです。
理解をすれば、行動が変わります。その後は、結果を確認し、結果を踏まえて改善を重ねていくことで、良い結果は自ずとついてくるようになります。
最初は私たちが取組みに深く関与しますが、どのように考え、動くと良いかを理解すると、管理職を中心に自分たちで走るようになります。
E社と同じように、研修とコンサルティングを併用したサポートをご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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