ちょっと税金の話
トランプ関税、ようやく落ち着く

 アメリカのトランプ大統領が9月4日、日本からの輸入車に対する関税を27.5%から15%に引き下げる大統領令に署名しました。
 
 これにより、自動車や医薬品を含む日本のほぼすべての対米輸出品に対する関税が15%になります。4月に大規模な関税措置が発表されて以降、交渉を続けていた日本の貿易交渉トップの赤沢亮正経済再生相もXで「やっと」とつぶやき、胸を撫で下ろしたそうです。
 
 ただ、今回の交渉の結果、日本は農産物、肥料、バイオエタノールなどのアメリカの製品を年間80億ドル追加購入することを約束したということですので、国内の農業などへの影響が懸念され、手放しで喜べるものでもないのかもしれません。
 
 ここで改めて、関税とは何かを簡単に触れたいと思います。
 
 関税とは、外国からの輸入品に対してかかる税金で、商品を輸入した人が自国に納めます。基本的な目的としては下記の2つがあげられます。

1. 税収の確保
 関税は輸入した商品の量や金額に基づいて計算されます。輸入者が自国に支払うため、輸入が増加すれば税収は増加します。
 特に国内で消費される食料の大部分を輸入に頼っている日本では、関税も大きな収入源となります。

2. 自国産業の保護
 輸入者が関税を支払う以上、そのコストは輸入品を販売する際に販売価格に上乗せするため、国産のものと比べて価格が安くなりすぎるのを防ぎ、結果として自国の産業を守ることにつながります。
 逆に輸出する側としては、高い関税が付されると輸出商品が売れなくなるので、輸出額が大きい日本の自動車産業などは特に大きな影響を受けやすくなります。

 先日の石破総裁の辞任など色々と話題が絶えませんが、経済への影響も含めて注目していきたいと思います。

大谷 響
文責
税理士大谷 響
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