中小企業庁より発表された「支払の実態に関するアンケート調査」によると、約束手形を利用しているが、利用をやめたいと考えている企業が多いとのことです。
「やめたい」と「やめたいがやめられない」の割合が、受取人では90%、振出人でも75%を超える結果になりました。
受取人側としては、やはり不渡りのリスクや領収書の印紙代負担といった理由からやめたいが、振出人が使用しているのでやめられない、といった理由が大半を占めています。
対する振出人側も手形帳の管理や印紙代の負担、訪問や発送の手間を理由にやめたい、電子記録債権に変更したいが受取人が対応していない、という現状があるようです。
そんな中、政府も2026年を目途に約束手形の利用を廃止していくよう各業界に呼びかけることになりました。政府は、受取側の負担軽減やペーパーレス化の推進、紙の郵送・保管コストやリスクを減らすといった観点からも約束手形が歴史的な使命を終えたのではないかとし、廃止に向かうとのことです。
産業界には、まず大企業から先行して約束手形の廃止もしくは電子記録債権への移行を呼び掛けています。
まだまだ約束手形を使用しているという会社が多いと思いますが、古くからの商習慣の一つが終わる日が近づいているようです。