先日の新聞に、5月の住宅着工戸数が前年比9.8%増と5ヶ月連続プラスとなった旨の記事がありました。貸家の増加には相続税対策として建設されるアパートの増加が影響しているとのことです。ではなぜアパート建設が相続税対策となるのでしょうか? 例えば、現金1億円、土地1億円を保有している人が亡くなったら、相続税は約3,300万円かかります。(相続人が子2人の場合)その人が、生前に土地の上に現金1億円を使ってマンションを建設していた場合、資産の評価額は次のとおりとなります。 ① 現金は0円 ② 土地は約8,000万円(賃貸物件の敷地は、地域により差がありますが、約2割評価が下がります。) ③ 建物は4,200万円(建物評価は建築費用の約6割。更に賃貸物件なら3割評価が下がります。) この結果、相続税は1,200万円となり、税金は大幅に減少します。(宅地に関する特例が適用できれば更に税額は圧縮可能です。)実際には、手持ち資金はある程度温存して、銀行からの借入れを利用して建物を建築することが多いですが、その場合も、上記の節税効果は同じです。 しかし最近、アパートの供給過剰で、首都圏では空室率が急上昇しているという報道もあります。やはり事業としてきちんと成り立たなければ、将来資金繰りが苦しくなることもあり得ます。アパート建設の決断は、メリットとリスクをよく吟味して行うことが重要ですね。
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