今回は、私のとっておきの本のご紹介をいたします。「おとな二人の午後」です。
塩野七生さん著書の本はどれも素晴らしいのですが、その中でもこの本は、私が長年いつも傍らに置いて、時間があるときに好きなページを開いて楽しんでいるものです。
内容は、五木さんが旧知の塩野さんをローマに尋ね、歴史・おしゃれ・買い物・教育・健康法・日本人の心について語り合う対談集です。イタリアから日本を見つめてきた塩野さんと五木さんのお話がとてもセンスがいいと感じます。たとえば、車について語る場面では、
イギリスの車は、古い友人の様に親しくつきあっていかなきゃいけない。
ドイツの車(メルツェデス)は、ドライバーが主人公であり、車は親友というより信頼できる忠実な部下。
イタリアの車は、女性、愛しい人。ご機嫌とりながら、一生懸命なだめすかして走る。その代り機嫌のいい時の走りの感じはなんとも言えない。
日本の車は、ゆったりとした走り、安定もしていて部品も壊れない。人間には例えられないが、アルコール度がたりない感じ。
といった風に、各国の車について、センス良く、ユーモアありで語られています。なかなかおしゃれな語り口だと思われませんか?
車だけでなく、靴やスーツについても語られています。
是非、コーヒーブレイクのお供に楽しんでみてください。ユーモアのある優雅なひと時をお約束します。