「お持ち帰りですか?店内でお召し上がりですか?お持ち帰りでしたら消費税率は7%、店内でお召し上がりの場合は19%です。」
ドイツのハンバーガー店ではこんな接客マニュアルがあるかもしれません。ドイツでは消費税の「軽減税率」を導入しており、店内で食べる場合は「外食扱い」で標準税率(19%)、持ち帰りの場合は「食料品扱い」で軽減税率(7%)が適用されるそうです。
同じテイクアウトでも、イギリスではハンバーガーなど「(気温より)温かい」食料品は外食扱いで標準税率(20%)、スーパーの惣菜など「(気温より)冷めた」食料品は軽減税率(0%!)となっています。
このように、軽減税率を導入している国は、それぞれ合理性(?)を維持するために色々と苦心している様子が伺えます。
日本でも消費税率が10%に引き上げられる平成27年10月を目処に軽減税率を導入する方針が打ち出されています。さて、日本の場合は、軽減税率の対象となる物品やサービスを合理的に線引きすることができるのでしょうか?私見ですが、諸外国と同じように非常に苦心することになるでしょう。
それどころか、消費税の納税義務者である事業者の負担は当然増しますし、また、正しく納税されているかをチェックする税務署(国)のコストも増大し、税金が余分に使われることになるでしょう。
先日も経団連など複数の団体が連名で複数(軽減)税率導入に反対する意見を打ち出しています。10%への税率アップの反対をかわす目的で安易に軽減税率を導入することは、何としても避けてもらいたいと思います。