今月は消費税が10%になる大きな税制改正がありましたが、来年には皆さまの所得税に影響がある改正がありますので、ご紹介させていただきます(令和2年1月より改正)。
<改正内容>
1.基礎控除額を10万円引き上げ、所得要件の追加
これまで基礎控除は、全ての納税者に対して一律38万円が控除されていました。
今回の改正では、所得要件を追加した上で、 下記の通りの変更となります。
2.給与所得控除を一律10万円引き下げ、上限195万円に変更(公的年金控除額も同様)
基礎控除の改正と合わせて、給与所得控除額も一律10万円引き下げられます。
また、上限額も現行の220万円から195万円に変更されるため、年収が850万円を超
えると上限の195万円となります(今までは、1,000万円超で上限220万円に到達)。
ただし、給与収入が850万円超の人の税負担をやわらげる為、年齢23歳未満の扶養
親族がいる人等には「所得金額調整控除」という新たな控除が設けられています。
<改正の影響>
今回の改正の影響を考える場合、基礎控除と給与所得控除の両方を考える必要が
あります。
給与収入金額が850万円以下の場合は、基礎控除が10万円増えて給与所得控除が
10万円減るので、今回の改正の影響はありません(税負担は変わらない)。
給与収入金額が850万円超の場合は、改正の影響があります(税負担が増える)。
例えば、年収1,000万円の人は、基礎控除給与所得控除の合計額が15万円減少します。
また、給与又は年金による収入がない個人事業主の方は、給与所得控除(公的年金
控除)がありませんので、基礎控除だけ引き上げられて税負担が減ります(所得2400万円超除く)。